オヤジの気持ち〜バイクライフを振り返る〜

振り返る、確認する

歳をとると過去を振り返りたくなる。

自分の人生、その時々の最善を選択した結果が正しかったのか。

成功した人生が好ましいが、皆が成功できる訳では無い。

失敗の人生も、惨めな人生もある。

それでも、その結果に「納得」できれば、それはそれで良い人生になり得る。

今回、私は自身の人生をバイクライフという視点で振り返ってみようと思う。

何者にもなれなかったオヤジのバイクライフは良いものになり得るか。

若い頃の記憶

私のバイクの原点は大学時代の記憶にある。

私が大学生であったころ、部活の先輩はバイク乗りが多かった。

社会的にもバイクブームで次から次へと新しいバイクが発表され、私の住む下宿近所にもバイクのパーツショップが3件はあった。

当時は2st(ツースト)全盛期で、私もバイク雑誌を読みふけり、このバイクがいい、あのバイクがいいと買えもしないバイクに夢を見ていた。

始めてバイクを買ったのは確か高校1年の時だった。

スクーターのDio、50cc。

一気に世界が広がったのを覚えている。用もないのにチョコチョコと、理由を無理やり付けては出かけていた。

次いでNSR50。

誰のツテで買ったのかも覚えていない。

タンクがベッコリと凹んでいるが、初めてのマニュアルで楽しかった記憶と、タンクの凹みが見すぼらしく恥ずかしかったような記憶が入り混じっている。

バイト先でバイク乗ってるんだ〜見せてよと言われ、タンクがベッコリ凹んだ愛車を見せた際の微妙な反応、見せるべきでなかったかなと自問自答した。

それから数年後、大学生になりCRM250というオフ車を買った。

前述の大学時代の部活の先輩の影響で買ったのだが、これは失敗だった。

先輩がオフロードで遊べる場所に連れていってくれたことからオフ車に興味を持ち、高速道路も走りたいということでCRM250にしたと思う。

CRM250はオフ車であるがため、車高が高い。必然的に足が届かない。

赤信号待ちは、さしずめバレリーナだ。早く青になれと何度思ったことか。

車高が高いため取り回しも良くない。よって、私ではオフロードで遊ぶことができなかった。

バイク自体の性能は高いのに乗りてはド素人。

操れる訳が無い。バイク選び大失敗。

だが、数々のバイクとの思い出は私に楽しい記憶として残っている。

バイク選びの失敗もいい思い出と心から納得している。

社会人とバイク

社会人になり、初めて新車でバイクを買った。

R1-Z、250ccの2stだ。

このバイクは良く走った。

そこらの400cc(4st)よりパワフルであった。

初めてバックステップを買い、取り付けようとした時、穴の位置がズレていて自分で加工したのを覚えている。

当時はネットなるものがなく、情報源は本、雑誌。

しかも親切でない。

キャブレターのキットを買って取り付けようとしたが、うまくいかない。しまいにゃ走りながらガソリンが漏れ出す始末。

あとあと知ったのが適合品ではなかったという事実。

適合品?なにそれ?キャブレターのキットでしょ?

そんなレベルの何も知らずに突っ走る若造でした。

まわりに教えてくれるような人はなく、例え居たとしても簡単には教えてもらえなかったと思う。

私は人付き合いが下手だから。

それでも、プラグ交換やチェーン交換くらいはなんとかでき、ショップでメッシュのブレーキホースを付けてもらったりして充実なバイクライフを送っていた。

数年後、VFR800に乗り換えた。

ツアラーであるが故、取り回しが重く1年くらいしか乗らず、Tmax500というスクーターに乗り換えた。

Tmax500もスクーターということですぐに飽きてしまい売却した。

32、33歳の頃だと思う。ここで私のバイクライフは一度終わりを告げる。

ただ、町中を歩いていて、「あのバイクカッコいいな〜」と思ったのがFZ1フェザーだった。

50歳でのリターン

最後にバイクに乗った頃より20年弱。

子育ても一段落したころバイクに乗りたいと思った。

さっそく、バイク選びに没頭した。

このバイク選びは本当に大変だった。

気になったバイクを見つけても、次の日には他のバイクが気になるといった感じであった。

ぐるぐる、ぐるぐると気になるバイクが変わっていく日々、そんなことを一ヶ月近くやっていた。

バイク選びに思いあぐねていたある日、突然FZ1フェザーのことを思い出した。

町中でみたハーフカウルの車体がよみがえる。

そうだ!FZ1フェザーだ!

とにかく実車を見てみたいと思いネットでFZ1フェザーを検索、在庫のある店を見つけたら車に飛び乗り向かった。

念願のFZ1フェザー

ついに実車と御対面!

思ったより大きい車体、取り回しはなんとかなりそうだった。

初めてのリッター4発!

この言葉が私をさらに加速させる。

家に帰り作戦会議。どこで買うか、予算は?ヘルメットは?保険は?カスタムは?維持できるか?

楽しい考え事が押し寄せる。

バイクの購入先。これは、近場のレッドバロンが安心だ。なんせ久しぶりのバイクであり、10年以上前のバイク。安心を優先した。

あとは予算。

パソコンを立ち上げ、テキストファイルを新規作成、ファイル名をFZ1フェザー購入計画とし、想定できる限りの予算案を打ち込んだ。

ワクワクが溢れる楽しいひと時であった。

FZ1フェザーに乗る

レッドバロンに行き、FZ1フェザーの検索をお願いし、程度の良いものをピックアップしてもらった。

気に入った車体を取り寄せてもらい、すんなりと契約した。

約20年ぶりのバイク、初めてのリッター車。

ドキドキが止まらない。

FZ1フェザーを納車した帰り道、ぎこちなく走った日のことをよく覚えている。

ガソリンスタンドに入るのもぎこちなく、やっとの思いで帰宅した。

バイクがあると日常生活に張りがでた。

バイクカスタム、ツーリング、洗車。

楽しくてしかたなかった。

この楽しい日々は、私にさらなるバイクへの欲を誘発させた。

空冷に乗りたい!最後のバイクは空冷にしたい!

おりしも排ガス規制強化により、ハーレーダビッドソン スポーツスターが数年前に水冷化された。

いまならまだ程度の良い空冷スポーツスターがあるはずとの思いから、思い切って乗り換えることとした。

ハーレーに乗る(883r)

自分がハーレーに乗るということに最初は抵抗があった。

ハーレーといえば、お洒落な人の乗り物と思い躊躇した。

ブサメン小太りのオッサンが乗ってもいいのかと。

だが、バイク仲間に背中を押された。

「スポーツスターはライトハーレーだからさ」と。

運がいいことに、箱根のバイカーズパラダイスという1時間3000円でレンタルバイクできる店があり、空冷スポーツスターの1200ccと883ccが試乗できることが分かった。

さっそく箱根へ試乗へ。

1200ccと883ccの空冷スポーツスターを乗り比べ、迷いなく883ccにすることとした。

ネットで883ccのスポーツスターを探し、実車をみてハーレーダビッドソン スポーツスター 883rを購入した。

883rとのバイクライフは充実した。

バイク仲間ができた。

キャンプツーリングをするようになった。

北海道キャンプツーリングにいった。

楽しい日々であった。

が、突然883rと分かれることになる。

ビーナスラインキャンプの帰り道、高速道路で追突されたのだ。

追突された883rは高速道路上を100m以上先まで飛ばされ、フレームが歪み廃車となった。

2ヶ月の病休

高速道路での追突事故により私は2ヶ月の病休を得た。

幸い骨折は無かったのだが、歳のせいか回復に時間がかかった。

長期の病休。

私は通院、会社連絡、廃車手続き、保険会社とのやりとりの合間に、新しいバイク選びに没頭した。

ハーレーに乗っていることもあり、次はビッグツインに乗りたいと素直に思えた。

びっこを引きながら実車を見にいったりもした。

驚いたのはビッグツインの大きさだ。

1800cc前後のエンジンを内蔵した車体は身長165cmの私では手が届かない。

乗ろうとすれば乗れたであろうが、キャンプツーリングでの取り回しを考えると断念せざる得なかった。

キャンプ場により、狭い曲がりくねった道があり、最悪坂道でのUターンもある。

取り回しの良さは絶対条件だ。

幸いバイク選びの時間は余るほどある。

で、考慮に考慮を重ね選んだのが、ハーレーダビッドソンFLSLだ。

この車体であればキャンプツーリングもできる!

ハーレーダビッドソンFLSLに乗る

まだ足は完治しておらず、びっこを引いている状態で近所のレッドバロンを訪れた。

意中のFLSLの在庫を調べてもらったところ1台だけヒットした。

そう、FLSLはとても玉数が少ない。

ネット検索でもほとんどない車両だ。

店長がFLSLの情報を印刷してもってきた。

状態は良さそうだ。

色も希望のビビッドブラック、シーシーバーあり、サドルバッグはデタッチャブル式がついている。

もう悩む理由はなかった。

まだ、足は動かない。会社復帰もまだまだ先。

だが、これを逃したらこのレベルの車体はなかなか出てこないだろう。

瞬間的に思考を回し、契約することにした。

長い病休期間が終わり会社に復帰、FLSLを乗り回す。

さすがビッグツイン、パワフルだ。

だが、どことなく乗り味がスムーズでない。

883rの時もそうだった。

最初はどことなくスムーズに走れなかったが、エンジンチューンすると乗りやすくなった。

ハーレーダビッドソンはエンジンチューンが前提のように感じる。

だからFLSLもエンジンチューンをする。

パワーは充分なので、乗りやすさと燃費優先。

もちろん車検対応のレベルで。

そしてキャンプツーリング仕様にしていこう。

やることがいっぱいだ。思わず口元がニヤけてしまう。

バイクライフはまだまだ続く

私のバイクライフはまだまだ続く。

最南端、最西端に行きたい。

四国一周したい。

雪の回廊を走りたい。

東北へ行きたい。

あがりのバイク、FLSL。

できることならば乗り潰すほどに旅にでたい。

できれば人生はやることがなくなったではなく、挑戦、冒険の連続でありたい。

FLSLと充実した日々を!

振り返っている時間などないほどに。

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